【松前】26日午前10時55分ごろ、町小浜の砂浜に「船首と見られる木製の船体の一部が打ち上げられている」と付近に住む西川英一さん(76)が、松前署に届け出た。付近では船体の特徴と合致する行方不明船などがないことから、松前署は外国の漁船などが漂着した可能性もあるとみて、詳しく調べている。
同署によると、現場は町中心部から国道228号を西に約15キロ進んだ岩浜と砂浜が混在する海岸。見つかった木造船の一部は全長約4メートルで船体には塗装などはされておらず、木目が分かる状態。船体に塗料で数字と見られる記号が書かれているが、塗装がはがれている部分も多く桁数などは判然としないといい、国籍が分かるような文字などは見つかっていないという。また、現場付近で不審者などは見つかっていない。
西川さんは、24日に木造物を確認。徐々に打ち上げられる形で25日には船だと分かったという。26日午前10時ごろ、船底を上に向け、一部が砂浜に突き刺さるような形で打ち上げられており、巡回のため自宅を訪れた松前署員に報告した。元漁業者の西川さんは船について「(造船所などではなく)素人が作ったようなもの。日本の船ではないだろう」と話す。
同署では同日、一時的に引き上げ、今後の対応については町と調整するとしている。
船の漂着では、23日に秋田県由利本荘市で「北朝鮮から来た」と話す男性8人が乗った木造の漁船が見つかっている。新潟県佐渡市でも25日、北朝鮮から漂流したとみられる木造船の残骸と男性の遺体が打ち上げられているのが発見されている。