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川田男爵の孫の清一さん、最後の墓参

 【北斗】「男爵いも」の生みの親として知られる川田龍吉男爵(1856-1951年)の孫、川田清一さん(84)=神奈川県在住=が6日、男爵が眠る北斗市三ツ石のトラピスト修道院を訪れた。清一さん自身も高齢のため、今回が最後の墓参と決め、息子の泰嗣さん(47)と来道。祖父の墓前に花とジャガイモを供え、静かに祈りをささげた。
 清一さんは龍吉の四男吉也氏の子。幼いころから当別にあった川田家の農場で過ごすことも多く、「孫の中でも私が龍吉と一番長く一緒に暮らした。私が知っているのも高齢になってからだが、非常に頑固で主張を曲げない人だった」と厳格だった祖父の思い出を話す。
 清一さんの友人で、同行した北斗市の高森琢磨さん(83)は吉也氏の目に止まり、45年から51年までを川田農場で暮らした。46年に男爵に初めて会った時の様子を「吉也さんに『お殿様にお目通りをしてきなさい』と言われた。恐る恐る部屋に入り、『なんじは今日から書生じゃ』と言われ、汗びっしょりでした」と振り返る。
 修道院裏手にある墓地の墓石には龍吉と妻の春猪、二男吉雄の名が刻まれている。清一さんは「(身内で)龍吉を直接知る人もいなくなりました。ここに来ることができるのも最後でしょうね」と話した。
 川田家は、土佐藩(高知県)の出身。龍吉の父小一郎(1836-1896年)は、創業期の三菱を支えたほか、第3代日銀総裁を務め、1895年に男爵となる。龍吉は21歳から7年間、スコットランドで造船技術や欧米式農業を学ぶ。横浜船渠(ドック)の社長を務めた後、1906年、函館船渠(現函館どつく)の経営再建を託されて来道した。
 農業への関心も持ち続け、七飯・鳴川で試験栽培した作物の一つが「アイリッシュ・コブラー」というジャガイモで、後に北海道の土壌に合った優良品種として「男爵いも」と呼ばれるようになる。現在の北斗市当別地区では、大規模な農場も切り拓いた。長く、本州と当別を行き来する生活を続けていたが、最晩年の47年に当別への永住を決め、そのころにキリスト教に帰依。トラピスト修道院で洗礼を受け、51年に95歳で死去した。(今井正一)










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