函館市学童保育連絡協議会主催の講演会にお招きいただいた。少子化がどんなに危惧されても、子供を育てる社会の仕組みがなければどうにもなるまい。役所だけに任せず、親たちが知恵と力を出し合って学童保育の仕組みを作り、守っている現状には頭が下がる。そして、実際に放課後の子供たちを預かる職員の皆さまの努力には深く敬意を表したい。
二人の娘たちの小学校時代は、ご近所の方やお友達
らに助けられて、何とか仕事を続けた。学童保育が近くにあれば絶対にお世話になったと思う。
私が子供のころには「かぎっこ」という言葉があった。帰宅時、自分で家の鍵を開ける子供たちに何という呼び方をしたのだろうか。子供に留守番をさせてまで働く親への無理解は、娘たちが小さいころも変らなかった。私自身、誰かに預けてまで働く意味があるのかと何度も問われた。
そして今はどうなのか。女性の社会進出が声高に叫ばれても、子供が3歳になるまでは親が目も手も離さずに育てるべきだとか、子供の帰宅時には親は家にいるべきだと疑問なく思っている人が多い。この場合の親というのは母親である。
子供を預けて働く理由はさまざまである。だがどんな理由だろうと男女を問わず、大人が働くことは当然であり、実に尊い。子供にその姿を見せることも教育だろう。親業とはかりにかけること自体がナンセンスなのに、どうしていつまでたっても理解されないのだろうか。(生活デザイナー)