渡島総合振興局と青森県は24、25の両日、1泊2日の日程で関東圏の中学校の修学旅行を青函エリアへ誘致するため、埼玉県の公立中学校長4人を函館、青森に招くツアーを行う。青函の体験観光素材の良さをアピールし、将来的に修学旅行先に選んでもらう狙いだ。
同振興局と青森県が歩調を合わせ、修学旅行の誘致事業に乗り出すのは初めて。青森県側が誘致に力を入れており、北海道新幹線でつながった道南との連携を提案した。
関東5県(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉)の中学校長会の代表と全国修学旅行研究協会で構成する「関東地区公立中学校修学旅行委員会(関修委)」の中で、大宮駅があり、利便性が高い埼玉の校長4人を招待することにした。事業費は約30万円で、道と青森県で折半する。
一行は初日、大宮駅から新幹線で新函館北斗駅に到着後、七飯町の大沼公園を見学。乗馬体験などができる「パド・ミュゼ」で馬と触れ合う体験メニューを視察する。函館では、五稜郭タワーや箱館奉行所、旧函館区公会堂、西部地区の教会群、函館山からの夜景を見て宿泊。2日目は函館朝市で朝食後、新函館北斗駅から新青森駅へ。青森駅前の文化観光交流施設「ねぶたの家ワ・ラッセ」や三内丸山遺跡、県立美術館を巡り、新青森駅から帰路につく。
関東の中学校での修学旅行先は京都、奈良が中心で、青函エリアに目を向けてもらうにはJR料金の高さや行き先の変更判断など課題も多い。同振興局は「将来的な利用を見込んで、修学旅行先の選択に一石を投じたい」(商工労働観光課)としている。(山崎大和)