臥牛山3月26日・スタートの日
「いよいよ」「ようやく」-。「3・26開業あと〇日」を本紙1面にずっと掲載してきた。その数字が2桁に、そして1桁になり、きょう26日、「夢の瞬間」を迎えた▼1973年の整備計画決定から43年。新青森駅と新函館北斗駅約149キロ区間を結ぶルートが開通した。28年前に完成した青函トンネル(54キロ)を通り、東京と北海道が最短4時間2分で結ばれる▼地域住民にとって悲願の開業を、複雑な思いで迎える人も、正直いる。航空機に対抗する「4時間の壁」を破れず、通常料金は割高だとして、空路との競争力を懸念する。新駅と函館市中心街とは約16キロ離れている▼それでも、九州から北海道まで、高速鉄道でつながる意義は大きい。人口減少や水産業など経済の基盤が揺れる道南で、注目度は高まっている。地域の宝を見詰め直すとともに、道南全体が、青森をはじめとした東北と連携し、新たな価値を生み出していけるか。関係者が指摘するように「26日をスタートとして、開業をどう地域づくりに生かしていくか」が問われている▼住民が旗を振り、桜の花が出迎え、福島町ではのろしが上がるなど各地で歓迎の催しが行われる。新時代のスタートを胸に刻む日としたい。(Z)