臥牛山12月1日・新幹線特急料金
北海道新幹線の特急料金が議論になっている。函館で先日開かれた国土交通省(運輸審議会)の公聴会では、公述人3人全員が料金設定は割高と反対意見を述べた。今後、割安切符などが明らかになるだろうが、懸念されるのは利用への影響だ▼割高感はJR北海道も否定してはいない。同距離の東海道や北陸新幹線に比べて高い。ただ、そうせざるを得ない理由もむげにできない。年間34億円ほどかかる青函トンネルの維持費を同社が負担している▼今さら蒸し返しても始まらないが、問題の根は国鉄分割民営化にさかのぼる。東日本や西日本、東海などは経営が成り立つが、北海道や四国は難しいことが明らかだった。にもかかわらず踏み切った経緯がある▼それは経営安定のための基金を創設したことが物語っている。加えて青函トンネルの管轄は北海道に。なぜ赤字経営必至の北海道だったのか。北海道新幹線の恩恵には東日本もあずかるはずで、だとしたら維持費の半額を負担し合う道もあるのではないか▼青函トンネルの維持費が軽減されれば、自ずと新幹線料金問題も解決の道が開かれる。そうするのが政治の責任の取り方。現設定料金でも赤字という予測はあまりにも悲し過ぎる。(A)