ベトナム戦争の報道写真で米国を代表する写真雑誌「LIFE」の表紙を飾るなど、紛争地の取材で活躍した函館ゆかりの報道写真家、岡村昭彦さん(1929~85年)の写真展(実行委主催)が18~25日、函館市地域交流まちづくりセンター(末広町4)で開かれる岡村さん没後30年に当たる今年は、戦後70周年、ベトナム戦争終結から40週年の節目紛争地の取材を通して平和を訴えた岡村さんの撮影写真のほか、遺品も公開する(鈴木潤)
岡村さんは東京都生まれ東京医学専門学校中退後、52年にトラピスト修道院(北斗市)で客室係として働いた54年に結婚し、妻の実家だった栄文堂書店(函館市末広町)で出版流通に携わった62年、PANA通信社に入社し、翌年の63年には南ベトナム軍に従軍し、戦争の前線を取材した
「LIFE」の71年3月12日号では、南ベトナム軍によるラオス侵攻作戦失敗の取材に成功し、10ページにわたる特集が組まれた紛争地の取材のほか、日本のホスピス運動にもかかわり、「ホスピス末期がん患者への宣告」(家の光協会)を出版した
写真展では、ベトナム戦争などの写真約40点のほか、愛用品も展示取材時に使っていたカメラやヘルメット、直筆の原稿用紙などを並べる
岡村さんの長女で、栄文堂書店の店主、佐藤純子さん(61)は「当時ベトナムで起きたことを写真を通して伝えたい生きること、死ぬことを考えるきっかけになれば」と話している
入場無料18日午後6時半から、オープニングトークを開き、写真史家で武蔵野美術大学非常勤講師の戸田昌子さんが、岡村さんの写真を解説19日は午後1時から、「こどもギャラリートーク」として戸田さんが子ども向けに講話するほか、手回しオルガン奏者の紀あささんの演奏会もある
開場時間は午前9時から午後9時(初日は午後1時開場、最終日は午後3時閉場)問い合わせは同書店(?0138・22・3419)へ