7月に入り、函館市陣川町の四稜郭から赤川町の笹流ダム前庭広場周辺で、ヒグマの出没が相次いでいる昨年の同時期の出没情報は1件だったが、今年は11件と例年にないクマの出没情報が寄せられている23日現在、人畜被害はないが、市など関係機関は注意を呼び掛けている
クマの目撃情報の増加を受けて市農林整備課は、17日に箱わなを設置翌18日夕に子グマ1頭を捕獲したクマは体長約1メートルのメスで、やせこけていたというただ、捕獲後もクマの目撃があったことから、同課では付近の住民に警戒を呼び掛け、新たに箱わなの設置を検討している
一帯を見回りする北海道猟友会新函館支部の水島隆支部長(62)によると、陣川で目撃されている子グマは親離れして間もないとみられるえさが豊富にある山奥は成熟した〝大人グマ〟の縄張りのため、「子グマは大人グマを恐れて、人里に逃れてきているのでは」とみる他のクマの縄張りに入ると、殺されることもあるという
陣川町周辺で目撃されているクマは畑を荒らしておらず、人に直接危害を加える危険性は低いと見られるが、安全策は不可欠水島支部長は「単独で入山しないことこの時期は木の実や山菜が少ないので、生ゴミを屋外に置くことは厳禁クマは人を警戒しながら行動するので、外出する際は音が鳴る物を身に付けるなどして、人間の存在を知らせることも必要」としている
陣川周辺の出没状況をみると、川沿いが多く、子グマが人を警戒している様子もうかがえるクマの警戒に当たる関係者は「クマ社会も厳しい(生きるために)子グマも大変だ」と複雑な心境だ(能代俊貴)