臥牛山7月10日・国民投票
EU(欧州連合)離脱を問う国民投票で離脱派が勝利した英国で、離脱派のリーダーだったジョンソン前ロンドン市長や、英国独立党のファラージ党首が相次いで表舞台を去った。キャメロン首相が辞任を表明し、EUとの離脱交渉が控える中で、「そんな面倒くさいことはやりません」と言わんばかりに体よく身を引いた▼日本ではきょう10日、参院選の投開票日を迎える。消費増税の再延期や「アベノミクス」の是非など争点はさまざまだが、憲法改正が真の争点といっても過言ではない▼改憲勢力はすでに衆議院で3分の2を確保しており、今回の改選で77議席を確保できれば、両院で総議員の3分の2以上となり、憲法改正の発議が可能な状況となるためだ。護憲勢力は現状維持に必死▼ただ、国会は3分の2以上の賛成を経て改憲案を発議することができるが、最終的には国民投票によって決定する。今一つ盛り上がりに欠けているが、今回の参院改選の意義は極めて大きいと言える▼英国では離脱派勝利は予想外で、世論はEU残留へと傾く揺り戻しの動きも出ているが、一度行った決定を覆すのは簡単ではなく、国民投票ならなおさら。いずれにせよ10日を境に、日本の行く末が決まる。(C)