臥牛山3月2日・函館市内の除雪事情
午前中からてんやわんやの3月1日だった。国道や道道の通行止め、JRや飛行機の運休、学校の休校…。市民生活にかかわる情報が次々と入ってくる。函館市内は朝からみぞれのような雨で、市内のあちこちで悪路に苦労する車の姿が目立った▼雪の多い年に雨が降るとどうしようもない路面になる。まして市内はなかなか除雪が進んでいない。運転手不足はもとより、幹線道路で作業した後にまとまった雪がさらに降り、生活道路まで手が回らないなど問題は山積みだ▼2月25日付の本紙1面で掲載したが、函館市内の近年の平均降雪量は10年単位でみると増加が続き、2011年以降は359・6センチ。1991~2000年と比べると1・4倍だ▼本紙は8年前の10年1月に「函館の除雪はなぜ遅いのか」というストレートなテーマの企画を3回シリーズで連載している。当時、市の幹部から「あのタイトルはないだろう」とおしかりを受けたが、生活道路、委託業者の数、夏場の機材維持…取り上げた課題は現在も変わらない▼あと1カ月もすれば雪は解ける。ただ、行政・民間とも「函館は雪が少ない」という固定観念にとらわれていはしないか。予算の組み方、業者との連携…改めて検証を。(C)