函館―札幌間のJR特急「北斗」で使用されてきた車両「キハ281系」が9月30日、定期運行を終了した。函館駅のホームでは札幌行きの最終列車に合わせ、多くのファンが集まり、30年近く道南の鉄路を走り続けてきた車両を見送った。
キハ281系は1994年3月に特急「スーパー北斗」としてデビュー。現行ダイヤは同区間の特急で1日3往復使用、老朽化から10月1日以降、現在の主力車両のキハ261系に置き換わる。
同車両を使う最後の下り列車は、同日午後5時52分発の「北斗19号」。定期運行終了を惜しむ乗客で指定席・グリーン席は満席となった。記念に乗車した青森県鶴田町の会社員、渋谷純さん(24)は「登別にある母の実家に行くのに幼いころから乗っていたなじみ深い車両。無事切符を購入できたので、最後に思い出に残したい」と話した。
発車時刻が近づくと駅員らがホーム上で「ありがとうキハ281系LastRun」の横断幕を掲げ、カメラを構える約150人の鉄道ファンらに見送られ、列車はホームを後にした。また、同6時半ごろには、札幌発の「北斗16号」が到着。多くのファンに迎えられ、28年にわたる定期運行を終えた。
キハ281系は22、23の両日、函館―札幌間の臨時列車として最終運行。デビュー当時の「スーパー北斗」の列車名を復活し、ラストランを迎える。(飯尾遼太)