今年3月に北海道新幹線の開業に伴って運転を取りやめた寝台特急「カシオペア」(上野-札幌)の車両を使用した、旅行会社ツアー専用の臨時列車「カシオペアクルーズ」が5日、北海道に入り、札幌へ向かった。
同臨時列車は4日午前7時50分ごろ、上野駅を出発。3泊4日で東北や北海道を周遊する。5日は午前4時40分ごろ、道新幹線開業後では初めて、乗客を乗せた在来線列車として青函トンネルを通過。同7時10分ごろ五稜郭駅に到着した。乗客はバスで函館市内へ向かい、朝食や市内観光後、同11時半ごろ、大沼公園駅から乗車し、豪華列車の旅を再開。この日は札幌到着後、小樽市内などで宿泊した。6日は札幌を出発し、7日は松島観光(宮城)をした後、上野へ戻る。
道南沿線では、鉄道ファンらが人気車両を撮影しようと集まった。七飯町の日暮山(303メートル)では、大沼と小沼に挟まれるように走る姿を見ようと約30人が集まった。函館市堀川町の主婦(48)は「偶然来たので、見ることができて幸運だった。一度乗ってみたい」と話していた。
カシオペアは1999年に運行開始したが、道新幹線開業で青函トンネルなど新幹線との共用区間の電圧が変更され、けん引する電気機関車が使えないことで廃止となった。その後、JR貨物から共用区間を走行できる「EH800形」電気機関車を借り入れることで「カシオペアクルーズ」や、11日からは同じく旅行会社が企画実施する「カシオペア紀行」(上野-札幌)が運転される。(山崎純一)