道南いさりび鉄道(小上一郎社長)が開業3年を迎える。北海道新幹線とともに2016年3月26日、五稜郭―木古内間(37・8キロ)で開業。「いさ鉄」の愛称で親しまれ、沿線住民の足としてだけでなく、道内外から観光客を呼び込むなど、この3年間で道南の魅力発信に貢献した。23日から記念イベントも始まった。
同社はJR北海道から旧江差線の経営を引き継ぐ形で、道と北斗市などの沿線3市町、JR貨物、ホクレンの出資で設立。道南唯一の第三セクター鉄道で、沿線の魅力を生かした観光列車を運行するなどし、開業当初から注目を集めた。
16年度には同社が運行する観光列車「ながまれ海峡号」を利用した日本旅行(東京)の観光ツアーが、鉄道を使った旅行商品の全国1位を決める「鉄旅オブザイヤー」でグランプリを受賞し、道南観光のPRに拍車をかけた。
今月16日にはJR北海道のダイヤ改正に合わせ同社もダイヤ改正を実施。木古内駅での道新幹線との接続を改善させるなど、より利用しやすくなった。
23日にはJR函館駅と清川口駅(北斗市)で、同社や北海道新幹線の開業3周年を記念するイベントが始まった。このうち函館駅では同社の沿線に見立てたすごろくが登場し、訪れた観光客がすごろくで「いさ鉄」に理解を深めた。函館市田家町の伊藤壮祐ちゃん(1)は「楽しかった」と笑顔を見せ、父親の圭介さんも「ふだん乗らないので少し興味がわいた」と話していた。
イベントは24日も両会場で午前10時から午後3時まで開かれている。(野口賢清)