函館バス(函館市高盛町、森健二社長)は11月1日付のダイヤ改正で、昭和ターミナルと新函館北斗駅を結ぶ「美原ライナー」を廃止する。利用客の低迷が要因で、開設からわずか1年半ほどで打ち切りとなった。一方で、湯川地区を経由して函館空港と日吉営業所を結ぶ便を新設するほか、一部路線を延伸し、市民の利便性向上を図る。
美原ライナーは、北海道新幹線開業に合わせて昨年3月から運行を開始。土日祝日限定で1日4往復し、起点と終点を50分で結んでいる。美原地区から同駅へのアクセス向上を図ったが、1便当たりの利用者は2、3人にとどまるといい、同社は「住民に浸透しきれなかった」とする。
新設路線は、日吉営業所と函館空港を結ぶ29系統。平日は22便、土日祝日は19便運行し、大型商業施設がある湯川、戸倉地区で買い物する利用客らの需要を見込む。
また、53系統(昭和営業所―谷地頭温泉)は、起終点を昭和営業所から蔦屋書店前に変更。55―1系統(同―赤川)は、平日に6便増便し、公立はこだて未来大学に通う学生らの利便性を高める。
このほか、60系統(山の手団地―バスセンター)と92系統(同―市立函館病院)は、山の手団地から約1キロ延伸し、バス停を2カ所新設。起終点を日吉営業所とし、日吉町4で進む「函館日吉コミュニティエリア」に乗り入れる便を確保する。
新函館北斗駅へ乗り入れる路線を巡っては、運行する各社とも苦戦が続く。同駅と函館空港を56分で結ぶ快速バスを運行する函館タクシーによると、1便当たりの利用者は5人以下と低迷。同駅と湯の川温泉を結ぶバスを1日10往復運行する北海道観光バスも同様で、担当者は「2月に停留所を増やしたが、利用は横ばい。手探りの状態だ」と話している。(山田大輔)