【木古内】北海道海洋熟成(札幌市、本間一慶社長)が木古内町釜谷沖の海底で熟成していた町の地酒「みそぎの舞」が4日に引き上げられた。同日には町役場で酒販組合、町関係者など7人が参加し試飲会が行われ、本間社長は「心地良い酸味とうま味を感じ、余韻が長く楽しめる」と海洋熟成の効果を強調した。
同社は、後志管内余市町などで日本酒やワインなどの海洋熟成を行う専門会社。本間社長が「津軽海峡の海流が酒の熟成に与える影響に興味がある」と木古内、知内の両町で海洋熟成を実施していた。
海洋熟成された酒類は波の波動で味が変化し、付加価値の高い商品となるため、「みそぎの舞」の新たな客層を得たい木古内町と両者の思いが一致した。
昨年2月、釜谷沖に「みそぎの舞」(720ミリリットル)約200本を、封ろうして海底26メートルに沈め、1年間熟成させていた。今回は100本を引き上げ、残りは最大4年間海底で熟成する。
試飲会は「みそぎの舞」の海洋熟成酒と通常のものとを飲み比べて行われ、「白ワインのような味わい」「雑味が少ない」と高評価だった。
木古内小売酒販組合(工藤秀範組合長)の5店舗で3月下旬以降に販売する予定。工藤組合長は「全国から注目を浴びる商品にしたい」と期待を込めた。(佐藤由紀彦)