JR函館駅前の再開発ビル「キラリス函館」1階に入居する道産品アンテナショップ「えぞりす」(田中理絵店長)と「パンエスポワール」(民谷貴彦社長)が、春野菜をふんだんに使ったパン商品を共同開発した。えぞりす内に川崎青果店(中島廉売内、川崎正博店主)の販売コーナーを開設している縁で、パンを通じ野菜の消費拡大につなげる狙い。6日にパン5種類、サンドイッチ4種類の販売を始める。
野菜ソムリエプロの資格を持つ川崎青果店の川崎保江さん(52)が橋渡しとなって、春野菜の知識やおいしさをエスポワールに伝授。暖かくなってコートを脱ぐ季節にダイエットを考えている女性客に向け、ヘルシーな野菜を薦めようと考案。テーマは「パンで春野菜を楽しもう」。2月初めから開発を進めた。
メニューは「春野菜のたっぷりピザ」(6分の1カットで216円)。生地にホウレンソウを練り込んで新ジャガイモやトマト、新タマネギ、インゲン、アスパラガス、菜の花をトッピング。このほか「春キャベツのマスタードフランク」「新ゴボウのガレット」「新タマネギとアサツキのフォカッチャ」「シャキシャキタケノコのナン」がいずれも216円。ピザは毎日販売し、ほかのパンは週替わりで2~3種類を出す。
サンドイッチ(324円)は、バジルマヨネーズをベースに、炒めたニンジンをオリーブオイルと塩でシンプルに味付けした「香ばし五穀のキャロットサンド」は、1日の野菜摂取量の目安とされる350グラムの3分の1の野菜が食べられる。「生ハムとフルーツトマトのサンドイッチ」「玄米パンの菜の花サンドイッチ」「クロワッサンの新タマネギ丸ごと北海道」もあり、毎日販売する。
エスポワールのスタッフ對馬菜都美さん(31)は「見た目も彩り鮮やかで、野菜の素材を生かす味付けに苦労した。これほど野菜をぜいたくに使った商品はない」と話す。川崎さんは「地場産の出荷が始まると価格も下がるので、もっと野菜の量を使えると思う」と期待を込める。4月以降もテーマを変えて継続する意向だ。
販売は函館駅前店のみで、午前10時~午後7時。(山崎大和)