【七飯】箱館醸蔵(町大中山1)は、町と姉妹都市提携を結んでいる香川県三木町の酒米「山田錦」を使った新商品「といき」を発売した。〝酒米の王様″と言われる山田錦特有の華やかな香りが特徴。同社が道産米以外で造った日本酒は今回が初めてで、両町の架け橋になる酒が出来上がった。
両町は、1999年に姉妹都市になった。両町の魅力を融合した商品を開発し町を盛り上げようと、同社が七飯町に提案し、七飯町が三木町へ話を持ち掛けて酒造りが実現した。商品名は両町を冠する数字を合わせた「十」と、飯の「い」、木の「き」から名付けた。
山田錦は、三木町小蓑地区産で、農林水産省の「つなぐ棚田遺産」の選定を受けている棚田米。東谷浩樹杜氏(とうじ)は「山田錦は柔らかくて加工しやすい。いいこうじができる」と話す。昨秋に収穫した2・3トンを使い、今年3月中旬に仕込みを開始した。
同社の冨原剛取締役は「小蓑地区は標高が400メートルあり、寒暖差でおいしいコメができる。フルーティーで雑味のないうま味が感じられる酒に仕上がった。食中酒よりも、食前、食後に合う。ハレの日の乾杯にぜひ使ってほしい」とPRする。アルコール分16度。
無ろ過生原酒が720ミリリットル入り2640円、火入れが同2530円、火入れの一升瓶(1・8リットル)が5060円。主に道南の酒販店で販売している。問い合わせは同社(0138・65・5599)へ。(山崎大和)