新型コロナウイルスの感染拡大を背景に三密を避けながら楽しめるアウトドアがブームとなる中、函館市内の工務店「Iori House Design&Create」(谷地頭町、中澤夏樹代表)と「Yoshi Works」(赤川1、土田義人代表)が木材を使ったオーダーメイドのキャンピングカーを制作した。キャビンはスギの木をふんだんに用いたログハウスのような造りで、動く別荘のようだ。
日ごろ家づくりに携わる2社にとって初めて手掛けたキャンピングカーで、北見市の山本鷹也さん(35)が注文した。「キャンピングカーに乗って全国を旅してまわるのがずっと夢だった」と山本さん。昨年道東で開かれたキャンプイベントで中澤さんと知り合ったのをきっかけに、同社の自然素材を使った家づくりに魅力を感じ、キャンピングカー制作を依頼した。
制作には、山本さんが事前に用意した2トントラックを使用。山本さんが事前に伝えていた完成イメージをもとに、自らも制作に参加したいという思いから、ハーフビルドとして作業を中澤さん、土田さんのプロ2人に依頼しつつ、自身も釘打ちなどできる範囲で協力した。
居住スペースは大人2人がくつろげる広さを確保。トラックの座席の上にかかるロフト部分には畳を敷き、和室のような空間を演出。寝たりくつろいだりできるこだわりのスペースを設けた。また壁や天井などには軽さや調湿性に優れるスギの木を使用し、屋根には一般住宅で使われる建材を組み込んだ。断熱材も活用して快適性を確保するなど、家づくりのノウハウが各所で用いられている。
今月4日には3人が力を合わせて完成に向けた作業を行い、シンクやテーブルなどの取り付けに汗を流した。山本さんは「オーダーメイドということもあり、こちらの要望に細かく応えてくれた。想像していたよりも上の出来上がりに満足している」といい、「完成したこのキャンピングカーでこの後、夢だった旅を楽しみながら日本を見て回りたい」と話していた。
中澤さんと土田さんは今後も要望があればオーダーメイドのキャンピングカー制作を請け負うという。「Iori-」は同社ホームページで、「Yoshi-」はインスタグラム(@yoshi_works)でそれぞれ取り組みを紹介しており、2人は「ぜひご相談を」と呼びかけている。(野口賢清)