函館市の駅前・大門地区と本町地区で建設が進む複合ビル併設の分譲マンションの販売が最終盤を迎えている。ともに予定戸数の約9割が成約済みとなり、販売を手掛ける2社は3~4月ごろの完売を目指している。来年3月の入居開始を予定し、中心市街地への定住者増加が期待される。
JR函館駅前の再開発ビル「キラリス函館」の5~16階がフージャースコーポレーションのマンション「函館MARKS THE TOWER(マークス・ザ・タワー)」となる。2014年8月に松風町にマンションギャラリーを開設した。全84戸中81戸が販売分で、同社は「おかげさまで9割方成約した。新幹線開業前には完売したい」とする。
購入者の2割は首都圏在住者で「地縁のある人や函館に魅力を感じている人に購入していただいた」とする。交通結節点の利便性に加えて、ベイエリアや元町地区、函館山といった〝函館らしさ〟に近いことも人気を集めたという。
一方、旧グルメシティ五稜郭店跡では、ビルの5階から市内最高層の19階が大和ハウス工業が手掛ける「プレミストタワー函館五稜郭」。昨年5月に五稜郭町32にモデルルームを開設。全73戸中、残る販売数は6戸となり、同社は「いたって順調で想定通りのペース」とする。
駅前と同様2割程度が道外在住者の購入で移住検討者もいるという。「丸井今井函館店や病院が近いといった生活利便性の高さもあるが、四季を感じることができる五稜郭公園や、芸術ホール、中央図書館といった施設の近さにも関心があった」とする。
両ビル内にそれぞれ公共施設を整備する市経済部中心市街地再生担当は「完成後に実際に多くの人が居住し、部屋に明かりがともることで建物そのものが両地区の象徴になってほしい」としている。(今井正一)