函館屈指の実績を誇る函館稜北高校サッカー部の閉校前最後の行事となる3年生の引退試合が7日、同高体育館で開かれた。最後の代となる男女26人が巣立つと同時に、同部の37年の歴史に幕を閉じた。
男子は学校創立2年目の1984年に創部。94年に全道ユース新人大会優勝、98年に全国高校選手権道予選準優勝と一時代を築いた。2002年から始まった女子は2度にわたって全道ベスト4入りし、函館の高校サッカー界をけん引してきた。
3年生の引退試合は同部恒例の行事で、今年は男女で午前、午後に分けて実施。午前の女子は山本篤コーチらOBが駆けつけて3年生の相手を務めた。午後の男子は大黒中前監督ら多くの関係者が見守る中で伝統のユニホームを着て、楽しく汗を流した。試合後には部員がコーチ陣に花束や記念品を手渡し、感謝の思いを伝えた。
コロナ禍で春季大会、高体連が中止になったがめげずに活動し、伝統を最後まで貫いた男子の阿部翔真主将(3年)は「コーチ陣に感謝。閉校で複雑な思いもあるが、みんなで最後に試合ができて良かった」と語った。女子の和泉友花主将(同)は「この3年間は宝物。みんな一つになり、コーチ陣に支えられた。入部して良かった」と誇らしげだった。
創部以来37年にわたって携わってきた白井愼二総監督(73)は「閉校だと分かっているが、これで最後、もう学校に来られないと思うと…。校舎、グラウンドと良い思い出ばかりで本当に寂しい」と言葉を詰まらせた。(小林省悟)