5年間にわたってスペイン留学した澤田将選手(17)=北斗市出身=がサッカーJ2のFC琉球(沖縄県)に入団し、今季プロとして一歩を踏む。澤田選手は「プロからオファーを受けてうれしさと、スペインを離れる寂しさがあった。まずは試合に出ることを目標にしたい」と謙虚に意気込みを語った。(小林省悟)
小学3年生からサッカーを始め、4年時に七飯町東大沼多目的グラウンド(トルナーレ)で開かれたレアル・マドリードのキャンプに参加したことが転機だった。全国各地で開催している同キャンプの選抜選手に選ばれたことで、海外でのプレーを強く意識し、留学を決意。父・暁さんの厳しい指導のもと、小学6年で少年団のフロンティア・トルナーレFCを離れ、単身スペインに旅立ち、リーグ2部CEサバデルFCの下部組織に入った。
「同じ年代でも体のつくりやプレースタイルの違いに驚いた」。フィジカルだけでなく、トラップの正確さ、ポジショニング、球際とすべてにおいてすごさを感じたという。慣れない環境と言語にも苦労した。1年目はベンチ外が多く、試合に出られず、つらい日々を送った。「とにかくプレーで示すしかない」とがむしゃらに努力を続けた。
少しずつ環境に慣れ、言語を1年半で覚えた。2年目からサイドハーフとしてレギュラーをつかみ、持ち前の瞬発力と独特のドリブルを武器に、培った判断力で活躍。3年目からは主将を任されるほどに評価された。5年間で2家族にホームステイし、「本当の子どものように接してくれた」と感謝する。
6月に現地の高校を卒業する予定で、昨年から進路を考えていた矢先にオファーを受けて帰国。11月中旬に内定をもらい、すでにチームの練習にも参加し、「プロとアマの差はあったが、広い視野でパス、ボールの受け方など手応えも感じることができた」と目を輝かせた。
17歳で身長177センチ、体重63キロと伸びる要素は十分にある。「まずはJ2に出て、次はJ1を目指す。将来は海外に行って、チャンピオンズリーグに出られるチームに行きたい」と夢を膨らませる。