日本中央競馬会(JRA)北海道シリーズ「函館競馬」が13日、函館競馬場(駒場町)で客を入れない「無観客競馬」で開幕した。澄み切った青空に芝コースがさわやかさを広げる中、競走馬が駆け抜ける音や実況中継のアナウンスだけが響いていた。
JRAは新型コロナウイルス感染拡大防止のため、28日まで無観客競馬として実施する。1896(明治29)年開設で国内最古の函館競馬場で無観客レースは初めて。
もしファンが訪れても「密」を避けるため、函館市電の競馬場前電停付近から進入できないように警備員が案内している。このほか報道関係者の入場制限、取材時のソーシャル・ディスタンス(社会的距離)確保、きゅう舎関係者の外出制限など、レース継続に向けてさまざまな措置を取っている。
無事開幕を迎え、パドックでは同競馬場職員が設置した花が騎手の勝負服のように華やかに周辺を彩り、コースでは同じく職員が安全なレースに向けて作り上げた芝生の緑が映えていたが、レースはがらんとしたスタンドを背景にファンの声援が無い中で繰り広げられた。
今季の函館競馬は7月19日までの計12日間で、7月の無観客競馬などの取り扱いについては6月中に対応を決めて発表される。重賞は6月21日の函館スプリントステークス(GIII)、7月18日の函館2歳ステークス(同)、同19日の函館記念(同)の3レース。勝馬投票券の購入や払い戻しは電話やインターネット投票で行う。レースの模様は「グリーンチャンネル」(BS234chなど)の「中央競馬全レース中継」で無料放送を28日まで実施している。(山崎純一)