この約8カ月で世の中はかなり変わった。リモートワークを機に、働き方を考え直す人もかなり増えたようだ。会社ごと都市部から地方の町へ移転したところもいくつかある。都心のビルに本社を構えるのがステータスだった時代は終わったのかもしれない。大都市でなくても仕事ができるなら、住みやすいところを選ぶのは当然である。
先日、個人の移住先として函館がクローズアップされていると聞いてうれしくなった。退職後に移住してくる人は昔からいたが、最近は、働き盛りの若い人たちに人気があるという。それほど函館は魅力的なのだ。明るい話題である。
働き方が多様になったのと同時に、教育現場も見直され始めた。小中学校が平常授業に戻ったのに、いまだに対面授業ができない大学がある。不満に思っている学生も多いだろう。画面を通しての授業で物足りなさを感じているのは学生だけではない。教師の側もパソコン相手の講義に限界を感じている。一日も早く平常に戻ってほしいものだが、対面授業に戻った時は「一方的にしゃべる先生と聞く学生」の講義ではなく、「対面」の良さを最大生かして質問や議論が飛び交ういきいきとした教育現場になることを期待したい。
まさにピンチはチャンスである。あれこれ挑戦するのも今である。食卓も、写真のように和洋の食器を組み合わせてみると楽しい。木の葉を添えると秋の風情にもなる。価値観が大きく揺らぐ今だからこそ、暮らし方を見直したい。楽しい変革もきっとある。(生活デザイナー)