• 函館新聞デジタル
    ご購読申込はこちら
  • 2024年春
    人事・本社来訪
  • 参加者募集
    写真の日プロジェクト
  • 求人情報
    総務経理スタッフ、記者

荒井三津子さん・暮らしのパレット/宿根草

 狭い庭に今年もチャイブの花が咲いている。セイヨウアサツキとも言う。これが丈夫で毎年咲く。宿根草なのだから当たり前だが、せっかちな私は雪が解けるとすぐに庭を掘り起こし、大切な草花をいくつも失ってきた。カワラナデシコやホトトギスは去年から見当たらない。チャイブは春早くから細い葉を伸ばすので生き残ってきたのだ。先日、何年も忘れていた日陰の植木鉢でもチャイブが咲いているのを見つけた。人知れず毎年咲いていたのだろう。土と肥料を足すと数日でグンと大きくなった。とにかくたくましい。
 今、世界中が騒々しい。ウイルス対策に手を取り合って立ち向かうべき時なのに、人種問題や国家間のトラブルが顕在化してきた。だが世界中の植物は人間の右往左往にはおかまいなく淡々とその営みを続けている。時が来たら咲き、時期が来たら潔く散る。宿根草なら根を残して次の年また咲く。この繰り返しはどのくらい続けられるのだろうか。
 「トキグスリ」とか「ひにち薬」という言い方がある。時の経過が一番のくすりになるという表現である。待たねばならぬことは確かにある。ワクチンや治療薬は時がたてば必ずできるだろう。経済的な支援も増えると思う。だが「時すでに遅し」ということはたくさんあるに違いない。人間という動物の生活と社会は複雑になりすぎた。今年もチャイブにたくさんの蝶が飛んでくる。のどかな光景に学ぶことは大きい。(生活デザイナー)










      最新記事











      きょうの人生指針/誕生月占い

      函館新聞デジタルとは
      函館新聞 デジタル お申込み
      ご購読申し込み月は無料

      最新ニュース

      アクセスランキング

      1. 遺愛6連覇、函工4連覇 バドミントン高体連春季大会
      2. 不同意わいせつ容疑 八雲の70代男性逮捕
      3. 函館でサクラ満開 過去3番目タイの速さ
      4. 函館港に初入港 豪華客船「シーボーン・オデッセイ」
      5. 五島軒、新業態のカフェ27日に営業開始 本店1階ロビー アフタヌーンティーなど
      6. 28日にスプリングコンサート 道南23団体出演
      7. 道南ものがたりジャーニーラン、8月に道内初開催
      8. 日吉町で住宅火災
      9. 上磯高の存続を要望 池田市長と川原教育長、道教委に
      10. ポツンと佇む小さな食堂③/猫がいるレストラン casadelgatto

      函館新聞宅配購読お申込み

      お試し(1週間)もございます。

      フリーマガジン「ハコラク」も毎月お届け

      はこしんフォトサービス
      フォトサービス

      掲載された写真を購入できます

      はこしんバックナンバー
      バックナンバー

      過去3ヵ月以内の函館新聞を購入

      はこしんポスト
      ポスト

      取材依頼・情報提供・お問い合わせ

      国内外の主要ニュース


      クローズアップ


      ニュースカレンダー

      紙面ビューア

      SNS公式アカウント

      4月25日のイベント情報

      ※イベント中止および延期となる場合がございますので、詳細は主催者へ直接ご確認頂きますようお願い申し上げます。

      関連サイト