(荒井三津子さん・暮らしのパレット)「緊張感」

 推薦入学が一般化し、卒業前の秋に早々と進路を決める学生が多くなった。合格発表のあのドキドキ感はカラダに悪いので、推薦で決めるのは親にとっても良いかもしれない。
 だがしかし、とも思う。緊張して何かに臨み、緊張してその結果を待つ。上位何名かに入るための努力、これはまさに試合なのだと思う。運動会では順位を決めない、学芸会の主役もひとりではなく大勢で…、という時代になったが、どんなスポーツも順位が決まる。ピアノもバレエもコンクールがあり、演劇にもオーディションがある。
 同期入社の仲間でも部長の席には限りがあり、ましてや社長の席はたったひとつ。人生、いたるところに「試合」あり。若い日の受験はその貴重なトレーニングの場ではないか。椅子取りゲームと同じなのだから、座りそこなうことは当然起こりうる。
 だが、スポーツと異なる点があるとしたら、受験の失敗は「負け」ではないということだろうか。私も2人の娘たちも大学受験の失敗経験がある。私は昔の国立二期校に何とか合格したが、娘たちは浪人生活を経験せざるを得なかった。それは不安との戦いだったようだが、長い人生からみればわずかな「誤差」でしかない…。
 と偉そうなことを書いてみたが、私が北大に落ちたあの3月からずっと、毎年ひな祭りの季節は心が痛い。3月末日受け取った「ミチノクハルキタル」という合格電報は、今頃きっと古いアルバムの片隅で色あせていることだろう。(生活デザイナー)

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