フィンランド発祥の投てきスポーツ「モルック」のアジア初となる「2024モルック世界大会in函館」(国際モルック連盟主催)が、23日に函館市の昭和公園(昭和町)と函館高専(戸倉町)で開幕する。大会には16の国・地域から過去最大規模となる672チーム、計3348人が出場予定で、25日までの3日間、晩夏の函館を舞台に各国から集った人々の交流の輪と笑顔が広がる大会になりそうだ。
世界大会は04年7月にフィンランドで第1回大会が開かれ、翌年以降はコロナ禍の20、21年を除いて毎年8月に開催。これまでフィンランドで14回、フランスで3回、チェコで1回開かれたが、19回目となる今回、アジアに舞台を移しての開催が実現した。大会スローガンは「Smile with you.―一緒に笑顔になろう」。函館在住の画家、藤倉朱里さんがポスターデザインを手がけた。
日本にモルックが持ち込まれたのは2008年。日本モルック協会(JMA)の八ツ賀秀一代表理事が仕事でフィンランドに在住していた08年にモルックを知り、10年には現地の日本人数人とチームを組んで世界大会に初出場した。11年に帰国後、任意団体としてJMAを立ち上げ、徐々に日本での愛好者を増やしていった。八ツ賀さんと妻の千穂さんはその後、20年に函館に転居。同年、協会を一般社団法人化するとともに事務局を函館(現在は埼玉県)に置き、気候の良い函館での24年世界大会誘致に向けた動きを進めてきた。
函館開催が決定して以降、地元では市の行事や愛好者団体による体験会が盛んに行われ、大泉潤市長が「史上空前のブームが到来している」と評するほど急速に浸透。世界大会には国内から630チームがエントリーし、市内を含む道内からは171チームが出場。海外からも発祥国フィンランドなどから42チームが訪れる。10歳未満から80代まで幅広い年齢層のモルッカーが函館に集い、栄えある世界大会王者の称号を目指す。
大会初日の23日は昭和公園で各国代表による国別対抗戦と開会式を実施。24日は同公園と函館高専で、96のグループに分かれて予選リーグを行い、各グループ(6~7チーム)の1、2位が25日の上位トーナメント(昭和公園)に進出。3~5位は函館高専(準決勝と決勝は昭和公園)で行われるフレンドリートーナメントに回る。6、7位は予選敗退となる。
また、函館新聞社もスポンサー獲得などで大会運営に協力している。