函館どつく函館造船所(弁天町)は9日、同造船所が製造した新造船を間近で見ることができる「大型船船内見学会」を開いた。多くの市民が詰め掛け、普段では見られない船内や巨大な船体に驚きの声を上げた。
新造船見学会は初の試みで、120年以上の歴史を持つ造船所の仕事や船について関心を持ってもらおうと開催した。
公開された船は全長約180メートル、幅30メートルのばら積貨物船。同造船所が名村造船所(大阪)と共同開発した「ハイバルク40E」で、1月中旬から製造を進めてきた。今月27日の命名式をもって完成となる。
参加者は船の建造や修理を行う乾ドックの中に降りて見学。同船の船底の目の前まで近づき、巨大なスクリューやいかりを観察した。船内見学では、木材や穀物などの貨物を積み込む「ハッチ」と呼ばれる設備を見学したほか、乗組員が生活する居住スペースや船橋などを見て回った。
家族で見学に訪れた函館鍛神小学校3年の木田陽さん(8)は「近くで見たら思ったより大きくてすごい迫力だった。居住スペースがきれいでびっくりした」と話していた。(中島遼泰郎)