北海道新幹線開業に伴い、運行を終える寝台特急「カシオペア」(上野―札幌)の上り最終列車が20日夜、JR函館駅に停車し、鉄道ファンら約150人がホームで見送った。
下り列車が19日に上野を出発し、20日に札幌に到着。同日夕方に札幌を発ち、函館駅8番ホームには午後9時すぎに入線した。青森までけん引する機関車を連結し、定刻で出発する際には、乗客とホームのファンが手を振り合った。中には「また会おう」と車両に声を掛ける人の姿も。
青森市の会社員鈴木奏さん(25)は「特急スーパー白鳥で函館に来た。カシオペアには結局乗ることができなかったが、どちらも今後見られなくなるので寂しい」と話していた。
カシオペアは1999年7月に運行開始。豪華な車内設備が人気を集めた。北海道新幹線開業により、青函トンネルを含む区間が新幹線と在来線の共用走行区間となり、トンネル内の架線電圧を新幹線用に昇圧すると、従来の電気機関車が使用できないことから、運行の終了に至った。
カシオペアは「北斗星」「トワイライトエクスプレス」の廃止後、機関車がけん引する最後の寝台特急となっていた。今後は団体列車として運行される見通し。(稲船優香)