函館市西部地区をスペインの立ち飲み居酒屋「バル」に見立て、店を訪ね歩く「第30回函館西部地区バル街」(実行委主催)が2日、開かれた。30回目を記念したセレモニーや着物姿で街歩きを楽しむイベントなどがあり、さわやかな秋の空気に包まれた中、大勢の市民や観光客が飲み歩きを満喫した。
過去最多の81店が出店。参加者はリーフレットを片手に目当ての店を目指し、人気店の前には長い行列ができていた。
金森ホールであった記念セレモニーには、3日まで市内で開催中の「開港5都市景観まちづくり会議2018函館大会」の参加者なども出席。深谷宏治実行委員長は「バル街が全国で200カ所以上開かれるようになるとは夢にも思わなかった。今やインターネットに勝てるイベントになりつつある」とあいさつ。工藤寿樹市長の祝辞などに続き、マジ・カスデルトルツ観光参事官の音頭で乾杯し、盛大に節目を祝った。
バル街の開催に合わせた親子向けの特別企画「親子deきもの遊び」には約10組が参加。妻と長女(3)、次女(1)と一緒に着物をまとい、街を散策した市内教員の福島秀三さん(39)は「通りがかりの人に声をかけてもらい、子どもは大喜び。とても気持ちよく街歩きできた」と満面の笑みで話した。
また、今回は医療福祉関係者で構成する「バルサポーターズクラブ」が初の試みとして、障害者のバル街参加を支援した。車いすで参加した市内の山田八江子さん(68)は「皆さんに親切にしていただき、にぎやかなバル街を初めて楽しめた」と笑顔。同クラブの細田政裕さんは「喜んでもらえてこちらもうれしい。一人でも多くの方に参加してもらえるよう今後も活動を続けたい」と話した。(山田大輔)