日本初の西洋式ストーブにまきを入れて点火する「火入れ式」がこのほど、箱館高田屋嘉兵衛資料館(末広町、酒井賢佑館長)で行われた。
ストーブは1856(安政3)年、北方警備強化に合わせ、箱館奉行村垣範正の命を受けた蘭学者・武田斐三郎が、大町の鋳物師目黒源吉に製作を指導した。
国産第1号の西洋式ストーブの復元品で、高さ90センチ、胴回り48センチ、重さ約90キロ。1988年に完成。試しだきが行われた11月25日、資料館では毎年火入れ式を実施している。今年で35回目。
函館市教委の藤井寿夫教育長や、資料館の近くにある学童クラブ「ひのてん」に通う子どもが訪れ、酒井館長による点火を見守った。暖かなストーブを囲む中、同館を運営する池見石油店の担当者が、高田屋嘉兵衛の功績を伝える紙芝居を披露したほか、子どもたちは、かつて火おこしの際に用いられた火打石の使い方も学び、興味津々の様子だった。(市丸和秀)



