【木古内、上ノ国】旧江差線廃線跡で運行する「道南トロッコ鉄道」にこのほど、6月に解体された同線湯ノ岱駅(上ノ国町)の窓口カウンターが移設され、トロッコの切符売り場として活用されている。
カウンターは、道南トロッコ鉄道が所有者の上ノ国町から譲り受け、乗車口の鶴岡公園駅(旧江差線渡島鶴岡駅)駅舎内に設置。国鉄ローカル線の雰囲気に極力こだわっているといい、切符売り場では硬券を発券しているほか、カウンターと併せて譲り受けた湯ノ岱駅の分岐器も設置する構想があるという。
道南トロッコ鉄道は、9月9日まで毎日、特別運行中で、連日行列ができる人気となっている。隣接する郷土資料館「いかりん館」には旧江差線と松前線の資料を展示していることから併せて見て回る人も多く、8月12日には乗車客109人を記録し、ゴールデンウィークに次ぐ人出となっている。
札幌市から家族と訪れた中屋哲君(13)は大の鉄道ファンで、道内の廃線跡めぐりや鉄道駅のスタンプ集めが趣味。「美深町の旧美幸線廃線跡で運行するトロッコ鉄道と乗り比べたい」と目を輝かせていた。(神部 造)