函館市内、近郊の主要ホテルは、26日の北海道新幹線開業日前後の宿泊予約が殺到し、満室に近い状態となっている。ホテル関係者は喜びの声を上げる一方、「開業効果を一過性のものとしないため、今後は需要をさらに喚起する取り組みが必要だ」としている。
市内豊川町のラビスタ函館ベイ(339室)では開業日が発表された昨年9月から予約が相次ぎ、26~31日はほぼ満室となっている。4月の客室稼働率も前年と比べ30ポイントほど高い。企画営業の小川賢治マネジャーは「ゴールデンウイークを控えた4月は例年稼働が落ちるが、今年は好調を維持している。新幹線開業の効果は大きい」と話す。
湯川1の花びしホテル(131室)の西村有人専務も「25、26日は満室。オフシーズンの3月が予約でいっぱいになるのは近年ではないこと」と驚く。
函館国際ホテル(大手町、305室)は開業日の前後を含む25~27日が満室。関東からの観光客を中心に、報道やセレモニーに出席する政財界の関係者など、仕事で利用する道内の客も多いという。しかし現時点の4月以降の稼働率は微増にとどまっている。佐藤則幸総務部長は「このチャンスを最大限に生かすためには、函館の観光をさらに盛り上げていく必要がある」と力を込める。
七飯町西大沼温泉の函館大沼プリンスホテル(292室)も開業日前後はほぼ満室。営業担当の神英明さんは「ゴールデンウイークも予約の動きが例年より早い」と新幹線効果を実感しながらも、2030年度に予定されている札幌延伸を控えて危機感を募らせる。「15年間はあっという間。それまでに各地域が連携して、多くの人に降りてもらえるよう、道南観光の魅力を高めていかなければならない」と気を引き締める。(金子真人、山田大輔)