JR北海道が18日に発表したお盆期間(10~17日)の利用実績によると、北海道新幹線の利用客数は、開業年だった昨年同期と比べ16%下回り、開業に沸いた前年の反動減が表れた。さらにお盆期間中の天候不順が函館市内の観光施設に打撃を与えるなど、お盆の勢いに乗り切れなかった。
期間中の新幹線の利用者数は8万600人で、平均乗車率は47%。乗車率がもっとも高かったのは、11日の「はやぶさ5号」で114%だった。札幌方面の特急は同2%減の6万1300人だった。
夏季全体(7月21~8月17日)の新幹線の利用客数は、同21%減の20万8100人で、平均乗車率は38%だった。同社は「開業初年度の同期と比べ反動減で前年を下回ったが、道新幹線開業前の在来線と比較すると大きく上回っており、引き続きご利用いただきたい」としている。
観光施設をみると、お盆のピークとなった11~17日の函館山ロープウェイの利用者数は、同46・7%減の2万9812人。期間を通じ山頂付近で天候不順による視界不良が発生したため、訪れた観光客が景色を楽しめず、大きな影響が及んだ。担当者は「12日が全休だったほか、視界不良の影響でお盆中、山頂からの景色はほとんど見えなかった。悪天候の影響はかなり大きい」と話す。
一方で五稜郭タワーの搭乗客数は、同4・9%減の3万6302人と、わずかに数字を落とすにとどまった。「道新幹線の効果が落ち着いたため昨年と比べると下回ったが、入込数が鈍かったという印象はなく、個人のファミリー層を中心に来ていただけた」としている。(野口賢清)