函館市戸井地区で4日、天然コンブ(マコンブ、ガゴメコンブ)の今季初水揚げがあった。今季は繁茂状況が悪いため8月1日が解禁日だったが、悪天候も重なって漁に出られず、この日ようやく採取〝初日〟となった。晴天が広がり、日当たりも風通しも良い干し場で家族総出で作業する姿が見られた。
同地区の天然コンブは例年、7月20日が解禁日で、9月20日ごろまで20~25回コンブを採取する。今年は8月1日に解禁日を設定したが、長い間漁を見合わせていた。
函館市泊町のコンブ漁師谷藤宏志さん(56)は、自宅前の干し場で採取したガゴメを天日干しする作業に追われた。この日の水揚げは乾燥重量にして20キロ。家族3人で表面が凸凹で幅広なガゴメを1枚1枚丁寧に並べた。
谷藤さんは「今季は、マコンブは例年に比べ95%減、ガゴメは同90%減。来季の資源を残すため、あと何回採れるか分からない。ガゴメは需要が旺盛で単価も高い」と話した。
函館は、古くから良質の天然マコンブの生産地として知られるが、近年は天然は皆無のような状態が続き、養殖コンブで生計を立てる漁業者が多い。(山崎大和)