函館市は、現在指定管理者が運営している「ホテル恵風」(恵山岬町61、29室)の売却候補先について、2社によるプロポーザル審査の結果、いずれも条件を満たさず不選定になったことを明らかにした。これにより、2022年からの民間による新体制での運営開始は大幅に遅れる可能性が出てきた。
同ホテルは、旧椴法華村が100%出資して設立した第三セクター、旧椴法華村振興公社が運営する形で1997年10月にオープン。その後、函館市椴法華振興公社と名称変更し06年から指定管理者として運営を継続。16年度には椴法華振興開発が引き継いだ。
日帰り入浴者を含めたピーク時の利用者は、1998~2001年度は年間12万人前後だったが、その後は減少傾向が止まらず19年度は4万9861人、20年度は新型コロナの影響もあり約4万人まで落ち込んでいた。
市は今年7月から公募型プロポーザル方式で売却先を公募し、函館市内の2社が参加資格審査を通過。10月20日に学識経験者ら5人による選定委員会が、経営基盤・収支計画、事業計画、地域貢献などに基づき審査したが、いずれも100点満点中、評価基準となる70点以上に達しなかった。
市は「早急に選定方法の見直しを行うが、当初予定していた来年4月に民間への運営開始引継ぎは難しい」と話している。(小川俊之)