函館市は16日、街並みや雰囲気に調和した建築物などを表彰する「第23回函館市都市景観賞」に、大三坂ビルヂング(末広町18)が決まったと発表した。表彰式は20日に市役所で開かれる。(小杉貴洋)
今年度は推薦があった21件のうち、2次選考に7件が進んだ。選考委員会(委員長・岡本誠公立はこだて未来大教授)が審査し、新たに加わった一般投票の結果も選考の参考とした。
伝統的建造物(伝建)群保存地区内の大三坂沿いにある建物は、旧仁壽生命函館支店として21(大正10)年に建築。縦長窓や外壁のテラコッタ装飾を施した白亜の洋風ビルと、和風の土蔵を併設している。2016年に伝建に再指定され、外観保全と内部の改修を実施し、現在はオフィスなどで使われている。
選定理由は「再生で歴史遺産の継承をした上で、現代の暮らしとの調和を図るなど新しい価値を生み出した。坂道景観を創出している石垣とともに傾斜地に建つ建物として、函館らしい町並み景観の形成に大きく寄与した」としている。
同賞は1995年に開設され、これまでに45件、5個人・団体を表彰。今年度から、周辺環境に配慮した案内表示を選ぶ「屋外広告物」を新設。これまで新築・改築から5年以内だった「建築物」は10年以内とし、対象外物件を廃止。「まちづくり活動」も活動継続期間要件をなくした。