函館市は新年度、市の景観形成指定建築物「旧ロシア領事館」(船見町)の改修費用についての調査を実施する。建物の外観や電気、水道などの改修にかかわる費用を積算。市は公募条件を整理するために必要な支援策を検討する。
8日の市議会予算特別委員会総務分科会(工藤恵美委員長)で、板倉一幸氏(民主・市民ネット)が質問した。
昨年、旧領事館に関心を持つ民間事業者に意見を求めるサウンディング型市場調査を実施。無償譲渡または賃貸での民間活用の可能性があることがわかったが、建物の改修費用について不安視する声もあった。
新年度予算案では、調査費として603万円を計上。4月または5月から3カ月間かけて、建築の専門家らによる調査を予定する。市企画部国際・地域交流課は「調査結果をみて、補助金での支援の可能性を含め、事業者の負担を勘案してプロポーザル実施の条件を検討する」としている。
現存する旧領事館は帝政ロシア時代の1908(明治41)年に完成。64年に市が取得し、96年まで研修施設として活用した。(今井正一)