国立研究開発法人海洋研究開発機構(横須賀市、JAMSTEC=ジャムステック)が所有する深海調査研究船「かいれい」が函館港に寄港し、21日に市国際水産・海洋総合研究センター前の弁天岸壁で初の一般公開があった。世界の海で活躍してきた研究船の内部を一目見ようと、2200人が訪れ、大盛況。22日も午前9時~午後1時に一般公開する。
市はジャムステックの研究船一般公開の開催に応募し、昨年7月には、海底広域研究船「かいめい」が函館港に寄港、1267人もの市民が船内見学に訪れた。今年度も同じ制度を使い、弁天地区水深6・5メートル岸壁に停泊できる調査研究船の一般公開を要望し実現した。
かいれいは1997年竣工(しゅんこう)で、横須賀港が母港。総トン数4517トン、全長106メートル、幅16メートル、深さ7・3メートル、喫水4・7メートル、定員60人(乗組員38人、研究者など22人)。無人探査機「かいこう」の支援母船で「マルチチャンネル反射法地震探査システム」を搭載し、形状が複雑な沈み込み帯の海底下深部の構造探査ができる。23日に函館を出港し、5月20日まで奥尻沖の地殻構造探査を行う。
一般公開は、市と函館国際水産・海洋都市推進機構が主催し、この日は正午の開始を午前11時40分に繰り上げて対応。操舵室や、かいこう操縦盤、リサーチルーム、57個設置している海底地震計などを見学した。函館亀田中学校1年の片岡裕樹君(12)は「海底地震計は大きくて迫力があった。来て良かった」と笑顔を見せた。
◇函館市など三者が協定
一般公開に先立ち、同センターで市と同機構、ジャムステックの三者が、地域振興や研究交流などを目指した包括連携協定を締結。工藤寿樹市長と嵯峨直恆機構長、平朝彦理事長が協定書に署名した。
工藤市長は「三者で一層連携を深め、函館国際水産・海洋都市構想の推進、津軽海峡域をテーマとした研究開発の発展・進展に期待したい」と述べ、水産海洋分野の研究拠点の形成に意欲を見せた。(山崎大和)