函館駅前・大門地区の活性化につなげる函館駅前通(国道278号)の整備方針がまとまった。高さ9メートルのシンボル照明柱や、集魚灯をモチーフとした歩道照明を配置するほか、街路樹の候補には、高木3樹種を絞り込んだ。玄関口にふさわしい風格あふれるメーンストリートを創出する。
対象区間は若松町の国道278号起点から松風町方向に400メートル。2012年度にまとめた中心市街地トータルデザイン(TD)を基に市や函館開発建設部、道警、函館都心商店街振興組合など関係者で協議を進めていた。
シンボル照明柱は建設中の再開発ビル「キラリス函館」と棒二森屋アネックス前に1基ずつ設置。上部に行くほど広がる閉じた扇子を立てた形状で、大門の新たなゲートの役割を持たせる。歩道用照明は高さ4・5メートルの照明柱と高さ7・5メートルの路面電車用の吊架線共架柱に取り付けられ、異なる役割の柱が違和感なく連続するよう配置する。
街路樹は落葉高木のイタヤカエデ、シナノキ、ハルニレの3樹種から整備最終年までに決定する。歩道上29カ所に植栽を予定し、緑あふれる空間を創出する。
駅前通では昨年9月に同組合がアーケードを撤去。同11月から同開建による電線類地中化に向けた工事が始まり、本年度はキラリス前から140メートルの区間、新年度は棒二側の220メートル区間を予定。舗道のレンガ舗装を含め、照明、街路樹整備は同工事に合わせて進められる。
市は新年度予算案に駅前通整備関係経費として、街路灯や歩道舗装などのグレードアップ分の整備費4883万円を計上。市経済部中心市街地再生担当は「緑あふれる通りを、ゆったりと楽しい気分で歩いてもらえるよう整備を進めたい」としている。(今井正一)