函館市病院局は20日、2016年度市病院事業の経営実績を公表した。市立3病院(函館、恵山、南茅部)の収支合計は5億2804万円の黒字となる見通しだが、一般会計からの緊急繰り入れ分15億9716万円を除くと、実質的な赤字額は10億6912万円で、依然として厳しい経営状況が浮き彫りとなった。
市立函館病院で開かれた市病院事業経営改革評価委員会(鎌田直善委員長)で報告された。14、15年度に続き、実質的に3期連続で10億円規模の赤字会計となり、累計赤字は14億6500万円に膨らむ見通し。
収支の大半を占める市立函館病院は、前年度と比べて赤字額は5億6589万円圧縮し、3億3663万円となっているが、一般会計の緊急繰り入れ分を除く実質的な赤字額は9億9889万円となる。1日平均入院患者数は同24・9人減の420・4人となり、改革プランの計画を3・2人下回った。
木村純院長は赤字の原因について、医師不足による各診療科の受け入れ縮小が大きかったとし、「昨年度はキャパシティー不足により、診られる患者さんに限界があったが、本年度に関して言えば医者もある程度確保し、看護師などのスタッフの数もそろえた。地域の患者さんが当院を選択するかに懸かっている」との考えを示した。
市病院局は昨年度策定した「市病院事業改革プラン」(16~20年度)で、市立函館病院の経営効率化を図り、段階的に赤字額を縮小させ、20年度の単年度黒字転換を目標に掲げている。(金子真人)