函館市企業局交通部は、函館市電の乗務員が着用する制服を4月1日からリニューアルする。大正2(1913)年に路面電車が函館を走り始めてから今年で110周年を迎えるのを機に、20年ぶりに新調。気持ちを新たに乗務に当たる。
紺色のジャケットは継承しつつ、金色のフロントボタンは2つから「より誠実な印象」(交通部)を与える3つに。左腕にあったエンブレムは右胸に変更する。ポケットはスターフと呼ばれる縦長の時刻表を入れやすいよう深くし、二重構造とした。ワイシャツは、従来の灰色から爽やかな水色に変えた。
男女兼用で、53人の乗務員が着用する。新しい制服をまとった高橋良大さん(40)は「ジャケットは生地が厚くなり、着心地が良い。シャツはボタンダウンで襟の折り目もしっかりしている。身が引き締まる思い」と話した。
新型コロナが落ち着き始め、これから市民の外出や観光客が増えることが見込まれる。交通部の湊公宏事業課長は「大変な時期を乗り越え、心機一転でこれからも安全な運行に努めていく。新制服を、市電に乗った時の楽しみにしてもらえれば」と利用を呼び掛けた。(稲船優香)