【江差】町内での岩ノリ摘みが11日、かもめ島で今シーズンの初日を迎えた。ひやま漁協江差支所海苔部会(辻裕樹部会長)のメンバー18人が、鴎島灯台から西側に広がる「千畳敷」などの岩場で冬の荒波にもまれ育った「寒海苔」を採取した。
天候や波の影響で昨年より18日遅く開始。午前8時、島の上部に集合した漁業者たちは、岩場に張られたロープを伝うなどしながらノリが自生する千畳敷へ降り、採取作業を始めた。
採取には、L字型の金属製の棒がついた「カギ」と呼ばれる道具を使用。腰をかがめしゃがみこんだり、膝をついたりしながら岩場に付いたノリを引っ掛けて剥がした。
辻部会長によると、今年の自生エリアは昨年11月までの温暖な気候の影響からか「昨年より少なめ」と話すが、磯の香りが強くうまみがあるとされる幅の広いノリが多く育っていることから、まずまずの生育状況という。
採取したノリは、7~10日前後で板海苔などに加工した後に出荷する見込みで、摘み取り作業は3月上旬ごろまで続く。(入江智一)