函館港豊川埠頭(ふとう)に8日未明、今年1頭目のツチクジラが水揚げされた。道南日本海で5月25日に解禁されたツチクジラの商業捕鯨で、これまでで最も遅い初水揚げ。8日が臨時休市のため、赤肉は9日に市水産物地方卸売市場で競りにかけられ、鮮魚店やスーパーの店頭に並ぶ。
ツチクジラは国際捕鯨委員会(IWC)の規制対象外で、網走市の下道水産(下道吉一社長)の小型捕鯨船「正和丸」(15・2トン)が、捕獲枠10頭に達するまで漁を行う。漁期は7月31日まで。解禁後は、荒天やエンジントラブルで出漁を見合わせていた。
同社によると、6日午前2時に函館港を出港。7日は乙部沖で待機し、同日午前5時55分、1つの群れ8頭を見つけ、午後3時50分に松前沖北西約65キロで1頭を捕獲。鮮度保持のため腹を割いて海水で冷やしながら曳航、8日午前2時35分、入港した。
雌で体長約9・6メートル、重さ約10トンで、サイズは大きめ。接岸後、待ち構えた陸上作業員の誘導でクレーンでつり上げ、トレーラーに載せて市内の解体処理場へ運んだ。法花正志船長(49)は「今年は遅れたが、無事に1頭目が捕れて良かった」と話した。(山崎大和)