5月30日に死去したことが分かった作曲家の小林亜星さん(享年88)は、2009年、函館開港150周年に合わせた記念ソング「あれから そして今」の作曲を手掛けた。当時、開港150周年事業に携わった函館市の関係者からは、小林さんの死を悼む声が聞かれた。
記念ソングの制作は開港150周年のメーン事業の一つで、市民らから歌詞を募集。全国から寄せられた歌詞を紡ぎ合わせ、小林さんが曲に仕上げた。同年7月1日に市民会館で開かれた記念式典では小林さん自ら指揮し、函館合唱連盟のメンバーらが高らかに歌い上げた。
小林さん側との交渉を担当した元副市長の谷沢広さん(72)=北海道食品開発流通地興代表理事=は「過去の実績などから小林さんにお願いしたが、『はこだて賛歌』のように広く市民に愛され、まちの財産にしようと作った。小林さんはフレンドリーな方で、親しくお話をさせていただいた」と惜しみ、楽曲が今後も語り継がれていくことを願った。(千葉卓陽)