【北斗】北斗蕎麦(そば)打ち倶楽部(くらぶ)の高石勝利さん(57)=北斗浜分郵便局長、北斗在住=が、11月7日に福井市で開かれる「第25回全日本素人そば打ち名人大会」(福井そばルネッサンス推進実行委主催)に出場する。地元・北斗での道南予選会(4月10日)で初めて一発合格し、全国切符を手にした。高石さんは「出るからには名人を目指す」と意気込んでいる。
高石さんの全日本出場は、2018年から3年連続(昨年は新型コロナウイルス禍で延期)となる。過去2回は入賞はできなかった。
今回は初の地元開催で、一段と気合が入った。全国から19人が出場、38分以内(本選は制限時間30分)でソバ粉800グラム、小麦粉200グラム、水のみを使い、自慢の腕を競った。道南から予選会に出たのは、高石さんと同倶楽部の相川清二さん(61)の2人。高石さんを含め3人が全日本に駒を進めた。
道内枠は北斗で3人、十勝管内新得町(6月)で3人、空知管内長沼町(7月)で3人の計9人。全日本への切符はどの大会でも勝てば得られ、北斗での予選会が最も早い開催だったため、強豪がそろった。予選会は全国17カ所で開き、全日本には52人が出場する。
高石さんは「今回はミスもなく、ほぼスムーズに終わった。ほっとした」と振り返る。本番2日前にそばを打ったときは、緊張と重圧からそばにならず、棄権も頭をよぎったという。前日に局員に打った際は無事にそばが出来上がり「競技だと意識せず、おいしいそばを打とうと気持ちを切り替えたのが良かった」と話す。
当面の目標は、9月に上川管内幌加内町で開かれる「幌加内町新そば祭り」での道素人そば打ち名人大会での名人獲得。高石さんは準名人を4回取っており「今度こそは名人を取りたい」と意気込む。
全日本で第20代名人に輝いた経験を持つ、同倶楽部会長の関崎泰博さん(61)は「この世界は2位では駄目。高石さんは最も早く全日本切符を手に入れたので、気の緩みが心配。夏に汗をかいて練習を続け、秋には名人を取ってほしい」とエールを送る。関崎さんによると、高石さんはのし(伸ばし)の技術は全国でもトップレベルにあるという。
高石さんは「他人との勝負ではなく、己に勝つことが大事。鍛錬したい」と前を向く。(山崎大和)