はこだて観光大使で苫小牧市を拠点に活動するシンガーソングライター、かんばやしまなぶさん(44)がこのほど、認知症患者と家族、介護従事者に向けた応援ソング「約束~陽のあたる介護~」を制作した。作詞は胆振管内白老町の介護施設で働く男性職員が手掛け、かんばやしさんがバラードに仕上げた。かんばやしさんは「介護職員の方が培ってきた大切な思いを歌で届けたい」と意欲を示している。(山田大輔)
函館大付属有斗高出身のかんばやしさんは、函館市などがプロの女子競輪選手を育てる「ホワイトガールズプロジェクト」で選手への応援歌を手掛けるなど、これまで全9作品を発売。地元の函館でも定期的にライブを開いている。
楽曲作りは2月、かんばやしさんのファンから「介護施設にいる父に歌を聞かせてあげたい」と依頼があったのがきっかけ。新型コロナウイルスの影響で施設で歌う機会はなくなったが、打ち合わせで作詞した職員と出会い、認知症患者と家族、福祉に携わる職員を勇気づける歌が作れないか相談を受けた。
歌詞では「うまく言えないけど強く探してる 忘れゆく時間の中で」と記憶が薄れゆく中でのもどかしい思いを表現。認知症を患いながらも「誰でもない あなたはあなただから」と家族にとってかけがえのない人であることを訴えている。かんばやしさんは作曲に当たり、認知症サポーター養成講座の受講などを通してイメージを膨らませ「やさしいメロディーを心掛けた」と話す。
新作のCDは9月27日に発売。売り上げの一部は認知症関連団体などへの寄付を予定している。
リリースを記念したライブもあり、10日午後7時半から亀田本町の飲食店「レストラン・パブ・ザ・ビーツ」(料金2000円)、11日午後6時半から若松町のライブハウス「ARARA」(料金前売り2000円、当日2500円)で開催。問い合わせは、レストラン・パブ・ザ・ビーツ(0138・40・6969)、ARARA(同87・0268)へ。