函館市国際水産・海洋総合研究センター(弁天町)で20日、大型実験水槽に入れたスルメイカの実験の一般公開が始まった。約220匹が群れをなして優雅に泳ぐ姿を見られる貴重な機会となっている。観覧無料で、22日まで。
実験は、洋上風力発電施設の水中音がスルメイカの群れ・個体の行動に与える影響について調べるもので、函館国際水産・海洋都市推進機構(石尾清広代表理事)と漁港漁場漁村総合研究所(東京)が共同研究し、北大大学院水産科学研究院と道立工業技術センターが協力している。
スルメイカは、18日に函館市古部町の定置網で漁獲した胴長15~17センチ。午前と午後の1日2回行う餌やりの様子も見学できる。
実験は水槽内にスピーカーを設置し、スピーカーから恒常的に単調な音を出す。15分出し、15分無音とするのが1サイクルで、上部と横に2台ずつ設置したビデオカメラでスルメイカの行動を記録、解析する。
再生可能エネルギーが注目され、洋上風力発電での大型プロジェクトが各地で計画されている。同機構連携研究員主任の高原英生さん(37)は「水槽を立体で54区画に分け、音の大小を計測した。イカがどの区画に移動するのか明らかにしたい」と話す。
函館頭足類科学研究所の桜井泰憲所長(北大名誉教授)は「今回は定置網にイカが良い状態で入った。素晴らしいイカをぜひ見てほしい」とPRしている。
午前9時~午後5時。問い合わせは同機構(0138・21・4700)へ。(山崎大和)