新型コロナウイルスの影響で道南では海水浴場の開設を断念する動きが広がっている。17日までに函館市と北斗市、乙部町が中止を決定。福島町は感染の動向を注視しながら開設の方向で検討を進めているが、今夏は多くの地域でビーチが閑散となる可能性が高まっている。(山田大輔、鈴木潤、入江智一、佐藤由紀彦)
函館市は17日、入舟町前浜海水浴場の開設取りやめを発表。感染収束が不透明な首都圏や札幌圏から帰省客が訪れ、感染拡大のリスクが避けられないことや更衣室の換気が十分にできない点などを考慮した。
同海水浴場には昨年、25日間で3750人、多い日で520人が訪れた。今夏は市内全域の海岸で遊泳禁止となる。市教委スポーツ振興課は「市政はこだてや各学校を通じて配布するチラシで中止を周知したい」とする。
北斗市内の七重浜海水浴場も同日、開設の中止を決めた。当初は7月23日~8月10日までの19日間の開設を決めていたが、市観光課は「3密回避のための入場制限や砂浜、更衣室でのソーシャルディスタンスの確保など、感染防止対策が困難」と、休止の理由を話す。
今後は海水浴場に隣接する七重浜海浜公園も7月1日から8月31日まで閉鎖し、海水浴場への立ち入りも禁止する。学校の夏休み期間中は警備員を配置し、中止を知らずに来た来場者に対応する。
昨年は道南の海水浴場で最多の約2万4000人が来場した乙部町の元和台海浜公園「海のプール」は、既に今季の閉鎖を決定。8月2日に開催予定だった「元和台マリンフェスティバル」の中止も決まっている。
江差町は、例年7月下旬から8月中旬ごろまで開設する、かもめ島海水浴場に関し「今週中に判断したい」(町財政課)とする。
一方、福島町は海峡横綱ビーチの開設時期などを関係機関と調整中。鳴海清春町長は「町内のイベントが中止になる中、町民に元気になってもらいたい。開設する方向で考えている」と話している。