函館市は18日、市内の60代無職の女性が新型コロナウイルスに感染したと発表した。市内で感染者が確認されたのは2月26日以来、4人目。感染経路は不明で、市が行動歴と濃厚接触者数などとともに調査している。
女性は9日に37度台の発熱があり、自宅で経過観察。13日に医療機関を受診し、風邪と診断され様子を見ていたが、37度台の熱が続いていたことから、17日に同じ医療機関を再度受診した。胸部レントゲンで肺炎の所見がみられたため、同日紹介で別の医療機関に救急搬送され入院した。いずれの医療機関でも受診時にはマスクを着用していた。
検査の要請を受けた市衛生試験所が18日に検査し、陽性と判明。同日夕方、感染症指定医療機関に転院した。会話ができ、軽症だという。
市総合保健センターで記者会見が行われ、市立函館保健所の山田隆良所長は女性について「特に大きな持病はないが、医療機関は定期的に受診していたようだ」と説明。海外渡航歴はなく、発症前2週間は市内から出ていないという。家族と同居しているが、濃厚接触者の数は確認中とした。感染経路は今のところ不明だが、集団感染(クラスター)の可能性については「日常的に不特定多数が集まる場所には行っていない」とし、可能性は低いとした。
市保健福祉部の大泉潤部長は「感染の防止の徹底に努めるとともに積極的な疫学調査を行い、原因の究明を図っていきたい」と話した。
道内ではこの日、札幌市内で2人が死亡したほか、函館の1人を含む38人の感染が確認され、感染者は延べ407人となった。(小杉貴洋、稲船優香)