【北斗】上磯吹奏楽団の団長を務めるなど、道南の吹奏楽をけん引した北斗上磯小学校元校長、高橋徹さん(60)が1日午前、肝臓がんで死去した。3日夜は函館市のベルコ函館シティホールで通夜が営まれ、同僚の教諭や教え子、吹奏楽関係者らが多数参列し、故人をしのんだ。
高橋さんは1990年北斗上磯小学校に赴任。吹奏楽部の顧問に就き、当時10人程度だった部員を70人まで増やし、95~97年は全日本小学校バンドフェスティバルに出場した。91年に上磯吹奏楽団を設立し、28年間団長を務め、その間、全日本吹奏楽コンクールに7度出場。北海道吹奏楽連盟副理事長や北斗市吹奏楽連絡協議会の会長なども務めた。
現在、北斗市内の小中学校が全国区で活躍するなど「吹奏楽のまち、北斗」と言われるまでになったが、その礎を築いた功績者だ。
2016年から上磯小学校校長を務めていたが、昨年冬から自宅で療養を続けていた。14日の定期演奏会に向け、「マイウェイ」を高橋さんが指揮する予定だったが、かなわなかった。
通夜では団員が「マイウェイ」などを演奏し、参列者もありし日の高橋さんを思い出しながら聴き入った。上磯吹奏楽団副団長で、谷川小の福井博志校長(57)は「北斗の吹奏楽をここまで盛んにしたのは団長の功績。遺志を継いで活動していきたい」と話した。同団員で、上磯小時代に高橋さんと一緒に吹奏楽指導した教員の日登晶子さん(47)は「人を引き付ける魅力があった。飲み会で語った夢をすべて実現させるその行動力はすごいと思った」と懐かしんだ。
上磯小吹奏楽部顧問の古川典之さん(46)は「先生からまだまだ教わりたかった。定年後の活動についても熱く語っていたのでそのお手伝いができなくて残念」としんみり。高橋さんが同小吹奏楽部顧問だった時の教え子で、同団員の米谷望さん(39)は「音楽をやる以上、感謝の気持ちを持ちなさいと常に言われた。その教えを忘れず音楽も仕事も頑張りたい」と話した。(鈴木 潤)